鴫山城の歴史
鴫山城（しぎやまじょう）は、鎌倉幕府開府に大きく貢献した下野国（しもつけのくに、現在の栃木県）の御家人・長沼氏が、7代・義秀（よしひで）のときに現在の南会津町田島地区に居城を移動し、愛宕山に鴫山城を築いたのが始まりと言われています。
会津若松城の前進である黒川城の城主・蘆名氏と幾度となく争い、一度は蘆名氏の軍門に下りますが、伊達政宗が蘆名氏を滅ぼした後は伊達政宗に臣従しました。
秀吉の奥州仕置により会津藩主が正宗から蒲生氏郷に変わると、長沼氏もこの田島の地を離れ、江戸幕府開府後に城主になった加藤嘉明の代に鴫山城は廃城となりました。
根小屋式山城
鴫山城は、根小屋式山城（ねごやしきやまじろ）という城郭様式と言われます。根小屋式山城とは、文字通り「根小屋」と「山城」の2つで構成されており、平時は山麓の根小屋に居住し、戦時には山頂の詰城部に登るような仕組みになっている山城のことです。根小屋（居住区）も城としての防御を備えており、初期の山城にその後の平城の技術が取り入れられて、このような居住型要塞になっていったのでしょう。
愛宕神社
長沼氏時代にあった山城の本丸跡地に愛宕神社が建っています。
「天地人ゆかりの地」
上杉景勝の家臣・直江兼続は、NHK大河ドラマ「天地人」により有名になりましたが、上杉景勝が会津藩主として治めていた僅かな時期ですが、兼続の弟・大国実頼（おおくにさねより）が鴫山城の城主となっています。そのため、「天地人ゆかりの地」とも言われています。
会津鉄道の旅「南会津町」
西若松から会津高原尾瀬口までを走る会津鉄道には、渓谷の景観美が観光客を魅了する「塔のへつり」や、茅葺き屋根の駅舎が特徴的で、夫婦円満や縁結びにご利益があるとされる「湯野上温泉」などの観光スポットがあり、四季折々の観光が楽しめます。また、湯野上温泉駅から会津バスで約20分のところには約400年前の茅葺き屋根を現代に受け継ぐ宿場町として有名な「大内宿」もあります。
| 城名（別名） | 鴫山城（南山城） |
| 築城者 | 長沼義秀（ながぬまよしひで） |
| 築城年 | 不明（1336年 – 1392年） |
| 城のタイプ | 山城 |
| 山の名前（標高） | 愛宕山（749m） |
| 城の標高 | 749m |
| 城の比高 | 約80m |
登城後記
鴫山城へ行ったのは雪も溶け始めた3月でしたので、雪に埋もれてそ見られなかった箇所も多くあったのではないかと思います。
都内からもアクセスが良いので、機会があれば、何日かかけてゆっくり会津鉄道の旅でもしてみたいですね。湯野上温泉から大内宿、日光へと自力で歩いてみるのもいいかも知れません。
